中高生のためのAIチャットボットの作り方|自分専用アシスタントを作ろう
結論: AIチャットボットは「役割・キャラ・口調」を文章で決めるだけで、自分専用アシスタントが作れます。ノーコードでも簡単なコードでも作れ、あとはテストして直すだけ。
この記事では、中高生が「自分だけのAIチャットボット」を作る手順を、作る前の設計から公開時の注意点まで順番に紹介します。プログラミングが初めてでも大丈夫。まずは仕組みから見ていきましょう。
目次
そもそもAIチャットボットって何が動いてるの?
チャットボットとは、人と文字でやりとりする「会話プログラム」のことです。みなさんが使っているチャットAIも、その仲間です。では、自分専用のチャットボットを作るとき、裏で何が動いているのでしょうか。
ポイントは、返事の文章を自分で全部用意するわけではないということ。あなたが作るのは「どう振る舞ってほしいか」という設定で、実際の返事はその設定に従ってAIが毎回考えて返してくれます。
| 部分 |
役割 |
誰が用意する? |
| 設定(システムプロンプト) |
どんな役割・口調で答えるか決める |
あなた |
| 入力 |
ユーザーが打ち込む質問・メッセージ |
使う人 |
| AI本体 |
設定と入力をもとに返事を考える |
既存のAIを利用 |
| 出力 |
画面に表示される返事 |
AIが生成 |
いまの中高生にとって、チャットAIはすでに身近な存在です。菅公学生服×ネオマーケティングの調査(2026年1月, n=1,200)では、中高生の約8割が生成AIの使用経験ありと回答しています。「使う側」から一歩進んで「作る側」に回ると、AIの仕組みがぐっと見えてきます。アプリ作り全般の入門はAIを使ったアプリの作り方でも紹介しているので、あわせて読むと全体像がつかめます。
作る前に決めること:役割・キャラ・口調(システムプロンプト設計)
いきなりツールを開く前に、紙でもメモアプリでもいいので、まず設計を決めます。ここがチャットボット作りで一番大事な工程です。決めるのは次の3つ。
- 役割:何を手伝うボットか(例:英単語の暗記を手伝う/献立を提案する/プログラミングの質問に答える)
- キャラクター:どんな人格・立場か(例:やさしい先輩/元気な後輩/落ち着いた図書館の司書)
- 口調:どんな話し方か(例:ていねい語/タメ口/関西弁/絵文字あり)
この3つをまとめて文章にしたものを「システムプロンプト」と呼びます。チャットボットの土台になる、いわば「キャラ設定シート」です。例を見てみましょう。
| 項目 |
ふんわりした例(NG寄り) |
具体的な例(OK) |
| 役割 |
勉強を手伝う |
中学英語の英単語テスト対策を手伝う |
| キャラ |
優しい感じ |
同じ部活の頼れる2コ上の先輩 |
| 口調 |
普通に |
ていねいだけど親しみのある話し方、たまに励ます |
右側のように具体的に書くほど、ボットの受け答えがぶれなくなります。これは実は「AIへの伝え方」そのもの。よい指示の出し方のコツはAIに伝わる指示の出し方で詳しく解説していて、システムプロンプト設計はその応用編にあたります。「具体的に」「役割を与える」「やってほしくないことも書く」——この3つを意識すると、ぐっと精度が上がります。
たとえばシステムプロンプトはこんな形になります。
あなたは中学英語の英単語暗記を手伝う「頼れる先輩」です。ていねいだけど親しみのある口調で話します。答えをすぐ全部教えるのではなく、まずヒントを出して、相手に考えさせてください。わからない単語は例文つきで説明します。勉強と関係ない話題には深入りしません。
作り方の2ルート:ノーコードで作る/簡単なコードで作る
設計ができたら、いよいよ形にします。作り方は大きく2ルート。自分のレベルとやりたいことで選びましょう。
|
ノーコードで作る |
簡単なコードで作る |
| 向いている人 |
まず動くものを作りたい人 |
見た目や動きをこだわりたい人 |
| やること |
画面の設定欄に役割や口調を入力 |
AIを呼び出すコードを少し書く |
| かかる時間 |
数分〜十数分 |
数十分〜 |
| 自由度 |
用意された範囲で |
自分でかなり広げられる |
ルート1:ノーコードで作る。 いまは、コードを書かずにチャットボットを作れるノーコードツールがいくつもあります。多くは、先ほど設計した「役割・キャラ・口調」のシステムプロンプトを入力欄に貼り付けるだけで、もう動き始めます。最初の1体は、まずこのルートで作るのがおすすめ。「自分の設定でボットが返事をする」という体験を早く味わえます。
ルート2:簡単なコードで作る。 もっと自由にしたくなったら、コードに進みます。やることの中心は、①ユーザーの入力を受け取る → ②自分のシステムプロンプトと一緒にAIへ渡す → ③返ってきた返事を画面に表示する、という流れを書くこと。難しそうに見えますが、最近はAIに「この機能のコードを書いて」と頼みながら進められます。コードを書くときも、AIへの頼み方が結果を左右します。ゲーム作りを題材にしたAIと作るゲームの作り方でも、AIに作業を頼みながら形にしていく進め方を紹介しています。
どちらのルートでも、核になるのは最初に設計したシステムプロンプトです。ツールはあくまで器。中身(設定)の質が、ボットの良し悪しを決めます。
テストして直す:思った通りに答えないときの直し方
作ったら必ずテストします。一発で完璧なボットはできません。 これは失敗ではなく、ものづくりの当たり前の工程です。
テストのコツは、自分が「使う人」になりきって、いろんな聞き方を試すこと。
- ふつうの質問をしてみる(ちゃんと役割通りに答える?)
- わざと意地悪な質問や、関係ない話題をふってみる(脱線しない?)
- 短い質問・長い質問の両方を試す(どちらも対応できる?)
思った通りに答えないときは、ボットを責めるのではなくシステムプロンプトを直します。よくあるズレと直し方を表にしました。
| 困ったこと |
システムプロンプトへの足し方 |
| 口調がかたい/ばらつく |
「いつも〜な口調で話す」と例文つきで指定 |
| すぐ答えを全部言ってしまう |
「まずヒントを出し、相手に考えさせる」と追記 |
| 関係ない話に乗ってしまう |
「〇〇以外の話題には深入りしない」と追記 |
| 自信満々に間違える |
「わからないときは正直にわからないと言う」と追記 |
この「試す→ズレを見つける→設定を直す」のループこそ、プログラミングの一番おもしろい部分です。デジタルメイジの指導現場でも、最初の1体がうまく動かなくても、設定を1行ずつ直すうちに「自分の思い通りに動かせた」という手応えに変わっていく様子をよく見かけます。直すたびにボットが賢くなる感覚を、ぜひ味わってみてください。
公開・共有するときの注意:誤情報と個人情報
自分のボットが完成したら、友達や家族に使ってもらいたくなりますよね。公開・共有の前に、2つだけ必ず確認しましょう。
1. 誤情報(AIは堂々と間違えることがある)。 AIは、事実と違うことを自信たっぷりに答えてしまう場合があります。勉強用ボットなら、答えをうのみにすると間違って覚えてしまうことも。対策はかんたんで、ボットの説明や最初のメッセージに「答えが必ず正しいとは限らないので、大事なことは自分でも確認してね」と一言そえること。これだけで、使う人が安心して付き合えます。
2. 個人情報。 チャットボットに、自分や他人の本名・住所・学校名・連絡先などの個人情報を覚えさせたり、入力させたりしないようにします。入力された内容がどこかに保存される場合もあるため、「個人情報は入れない」をボットの注意書きに入れておくと安心です。友達に使ってもらうときも、同じルールを伝えましょう。
| 確認すること |
具体的なアクション |
| 誤情報 |
「答えは正しいとは限らない」と注意書きを添える |
| 個人情報 |
本名・住所・連絡先などを入れない・覚えさせない |
| 公開範囲 |
まずは身近な人に限定して試す |
この2点は、AIを「使う」ときにも「作る」ときにも共通する基本マナーです。作る側になると、こうした注意点を自然と意識できるようになります。これも、チャットボット作りで身につく大事な力のひとつです。
よくある質問(FAQ)
Q. AIチャットボットを作るのにプログラミングは必要ですか?
A. 必須ではありません。いまはノーコードツールで、コードを書かずにチャットボットを作れます。役割や口調を文章(システムプロンプト)で設定するだけで動くものも多いです。一方、簡単なコードで作るルートを選べば、見た目や動きをより自由にカスタマイズできます。まずはノーコードで形にして、もっと作り込みたくなったらコードに挑戦するのがおすすめです。
Q. 自分専用のAIチャットボットは何から決めればいいですか?
A. 最初に決めるのは「役割・キャラクター・口調」の3つです。これをまとめて文章にしたものをシステムプロンプトと呼び、チャットボットの土台になります。たとえば「英単語の勉強を手伝う、やさしい先輩キャラ、ていねいだけど親しみのある口調」のように具体的に決めると、ぶれない受け答えになります。
Q. 作ったチャットボットを友達に公開しても大丈夫ですか?
A. 公開する前に2つだけ確認しましょう。1つはAIが間違った情報(誤情報)を自信たっぷりに答えることがある点で、「答えが正しいとは限らない」と注意書きを添えるのが安心です。もう1つは個人情報で、自分や他人の本名・住所・連絡先などをチャットボットに覚えさせたり入力させたりしないこと。この2点を守れば、安心して共有できます。
AIチャットボット作りは、「使う側」から「作る側」へ回る第一歩です。役割を設計し、テストして直し、人に使ってもらう——この流れは、アプリやゲームなど他のものづくりにもそのまま活きてきます。とはいえ、最初の1体を一人で完成まで持っていくのは、つまずきポイントも多いものです。
デジタルメイジは中高生(12〜18歳)専用のオンラインAI創作スクールで、マンツーマンの伴走指導が特徴です。自分専用のチャットボットづくりも、講師と一緒なら「動いた!」までしっかりたどり着けます。まずはプログラミングコースを見るから内容をチェックして、無料面談で相談してみてください。
出典
著者: デジタルメイジ編集部
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